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安堵感スレイブ

幸福感・達成感・満足感だと思っていたものはどれも安堵感だった。

自分が異常だってことの衝撃は経験済みで耐性がついていた。

メンタルカウンセリングに行って、はじめに行ったのは、問診票の記入と3つのチェックリストだった。

 

問診票は、今の仕事とか病歴とか簡単な家族構成とか。別に特筆すべきものはない普通の問診票。

問題は、続くチェックリストの方。

 

まず渡されたのは2つのチェックリスト

アダルトチルドレンチェックリスト」と「共依存チェックリスト」

 

アダルトチルドレンチェックリスト」は確か30問くらいで、私はこんな項目にチェックが付いたと思う。

・他人より劣っていると思う

・他人の目を気にする

・自分は人と違うと感じる

・人の意見を聞かないと不安になる

・自分は自分じゃいけないと思う

・大きな声や物音に過敏に反応する

・何が正常で何が異常か分からない

・一貫性がなく、感情の波が激しい

・衝動的に反応する

・生きていることに罪悪感や嫌悪感がある

・ちょっとしたことで落ち込む

・完璧を求めて強迫的になる

・期待されることと本当の自分とのギャップがつらい

・他人を疑い、防衛的になる

・普通の人より劣ってると思う

・いつも何かが足りないと思う

・小さなことで自信を失う

・認められたい気持ちが強い

・追い詰められると攻撃的になる

・いじめられやすい

・表情がなく、感情を出せない

 

 

共依存チェックリスト」は確か20問くらいでこんな項目にチェックが付いた。

・貸しを作るのはいいが、借りを作るのは嫌だ

・自分の問題はたいしたことないと言い聞かせて、なんでもないように振る舞う

・落ち込んでいる人がいると、自分も落ち込む

・自分を犠牲にして、他人のために行動することがある

・罪の意識を感じやすい

・他人の問題も自分のせいだと感じることがある

・自分にとってあまり重要ではないことにも責任感を感じてがむしゃらになる

・見返りを強く求める

・人間関係の問題について、同じ間違えを繰り返す

・他者を自分の思い通りにコントロールしようとすることがある

・好きかどうか分からないけど、相手から離れられずしがみつくことがある

・「こうあるべき」や「こうなるはず」にとらわれている

・断れずに何でも引き受けて、それが恨みに変わったり、それに疲れたりする

・相手の気分を過敏に察して、先々を予測したり、心配したりする

 

 

チェックリストはすべて「少しでも当てはまると思ったらチェックしましょう」だったから、素直に「あ、これ私そのものだ」と強く思ったものから「あ、私かも」とちょっぴり心に触れたものまですべて丸をつけた。

どちらも7割くらいチェックが付いたと思う。

多いなと思いつつも、それが私の「当たり前」だった。

そして、これらがみんなの「当たり前」でないことも知っていたから、こうしてチェックリストの項目ひとつひとつに「お前は普通じゃないんだ、ここが歪んでるんだ」といわれた気持ちだったけど、「だよねー。知ってるー」と受け流せた。

 

 

動揺したのは3つ目のチェックリストだった。

機能不全家族チェックリスト」。他のチェックリストと違って項目の下に具体例が添えられていた。

 

・身体的暴力、性的暴力、精神的暴力があった

お尻を叩かれた、物を投げられた、大切なものを壊された……etc.

 

こんなふうに。このチェックリストのときだけは動揺したので、項目は20くらいあったと思うけど1つ目しかちゃんと覚えていない。なので、以下は項目名なのか具体例なのか……ごちゃまぜだと思う。

 

・親の愚痴をよく聞かされた

・家庭内に怒りの爆発があった

・抱っこしてもらったり触られたりしてない

・兄弟姉妹や他の家庭と比べられた

・両親のケンカの仲裁をした

・欲しいものは何でも買ってくれた

・身の回りのことはすべて親がやってくれた

・お金や地位が重視された

 

自分は普通の人ができることができない。その自覚があって、一時期そんな自分についてネットで調べまくったりしていたから「アダルトチルドレン」や「共依存」のチェックは平気だった。自分が異常だってことの衝撃は経験済みで耐性がついていた。

しかし、「機能不全家族チェックリスト」への耐性はなかった。さっきまで「よゆー。チェックがたくさんつくの、知ってた」と思っていたのが、「やばい。え。これって普通じゃないから聞かれてんだよね。うそ、こういうのって普通の家庭にはないことなの……? 普通の家庭って、そんなに秩序あんの? キラキラしてんの?」と混乱だった。ザワザワした。